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技術と人間と社会システムの調和をめざして


加速度的に多様化し巨大化する技術に人間と社会が追随する、というメカニズムが、産業革命以来、生まれました。これから脱却し、人間と社会が技術を使いこなすソフトウェアーを構築し、本来の豊かさの実現や地球環境の再生・維持のための新しい技術を生み出していくことが必要です。

自動車は産業革命を背景として誕生し、20世紀の経済成長を推し進め、人間に利便性と快適さとをもたらすと同時に、深刻な事故や環境破壊の原因ともなってきました。また、自動車走行を情報技術で支援しようとするITS(Intelligent Transport System)の開発が進行しています。ソフトカー・ミレニアム・プロジェクトは、現代文明の象徴である自動車を対象に、既存の技術、革新的技術、社会制度、人間心理などを組み合わせ、技術と人間と社会システムの調和の実現をめざすものです。


ソフトカーの開発と社会実験


私たちは、自動車の走行能力が過剰になりがちなこと、また、自動車の情報が内側に閉じ込められ、外部とのコミュニケーションを欠いていることなどに注目します。ソフトカーとは「市街地の走行環境にふさわしい上限速度などを多段階に選択し、選択状況を外部に表示する車」です。

上限速度の設定装置や外部への速度表示装置などをつけることで、既存の自動車は、環境と調和し、他の車や歩行者とコミュニケートする有機的な移動体に進化します。ソフトカーは、さらに、外部からの速度コントロール装置、新しい交通標識、交通規制、そして、ITSや電気自動車の技術などと連動して、生態系とも呼ぶべき新しい交通システムを生み出します。

これまで、自動車はより高い走行能力を求めて開発され、ドライバーもそれを求めてきました。ソフトカーが社会に受け入れられるか否かが重要な検討課題です。私たちは、国内・国外での社会実験を通して市民、企業、行政の方々と対話をくりかえすことで、社会のニーズに適合したソフトカーと交通システム実現をめざします。


ソフトカーの開発と社会実験


ソフトカー・ミレニアム・プロジェクトを通じて、以下のような成果と長期的な効果が生まれる事を期待しています。

プロジェクトの成果

・ソフトカーへの社会的受容の確認 ・ソフトカーの各種装置の知的所有権の取得 ・政府、自治体による法制の検討 ・企業による各種装置とソフトカー(新車)の製造の検討 ・ソフトカーを利用する交通ルールの国際標準化提案

長期的な成果
・交通事故、特に死亡事故の減少。発展途上国で激増する交通事故の抑制 ・電気自動車やITSと連動した技術、安全と安心の技術/製品の開発 ・歩車共存による安全で快適な都市空間の実現 ・多段階走行能力設定エンジンの実現による省エネルギーと環境負荷の軽減 ・既存の産業の革新と新規産業の創出